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上記の場合、サーバは「データセンター」に設置されるのが一般的です。データセンターは地震や火災、停電などにも耐え得る構造と設備を備えた建物で、365日24時間体制で入館者の管理をしています。このため関係者以外は自由に出入り出来ないようになっています。そのような最適な環境を持つデータセンターには大手プロバイダやホスティングサービス会社の多くがサーバや回線を設置し、「相互乗り入れポイントの役割」を果たしています。もちろん「バックボーン」と呼ばれる海外向けのの高速な回線も接続されています。ホスティングサービスでは最も恵まれた通信環境に設置されたサーバを手に入れられるサービスの事なのです。
最近ではADSLやケーブルインターネット、光ケーブルなどのブロードバンド回線が低価格で手に入ります。ではその回線を使ってサーバを自社や自宅に設置することはできないのでしょうか。
答えは「できます」。しかし決してよい環境ではありません。基本的にインターネットに常に接続できる環境でIPアドレスとドメインを持ちDNSやHTTP、SMTPやPOPなどの各種基本サーバソフトが正しく稼働しているのであれば、サーバとして一応成り立ちます。しかし、たとえ高性能を誇る最新鋭のサーバを設置したとしてもいわゆる「重く」感じてしまうことがあります。反応が鈍く感じてしまうのです。何故でしょう。ブロードバンド回線サービスでは「4Mbps/8Mbps/100Mbps」と宣伝していますが、実はその先が問題なのです。たとえ目の前が速く見えても途中のルート上に混雑した場所があれば思うように速度は出ません。この現象を「ボトルネック」と呼びます。またクライアントからサーバにデータを送る「上り」と、サーバからデータを受け取る「下り」が同じように「4Mbps/8Mbps/100Mbps」出てるとは限りません。
下図をご覧ください。例えばあなたの契約している回線が「上り512Kbps/下り1.5Mbps」だと仮定します。あなたにとって他のサーバからのダウンロードは「1.5Mbps」ですから体感的には速く感じられるかも知れません。しかし目の前にあるサーバのホームページを見に来ている他の人にとってみれば、最高でも「512Kbps」しか出ないのです。しかも実際に512Kbpsという速度が出ることは難しいでしょう。そしてその回線は1つしかないのですから、例えば100人のアクセスが同時にあったらと考えるともう僅かな数字になってしまう上、トラブルにより回線が切断されてしまうとサービスは停止するしかありません。
では、ホスティングサービスはどうなっているのでしょう。ホスティングサービスの場合、多くの高速な専用回線と多くのコンテンツを持った大手プロバイダが集まるデータセンターにサーバを設置し、理論上は「LAN接続」となります。しかも複数の経路を確保していますので、万が一、一部の回線が切断してしまったとしても他の経路にすぐ迂回できますのでサービスを停止する危険性は極めて低くなります。さらに多くのコンテンツを持った大手プロバイダが物理的にも近くにあるため、余計な経路を通る必要がなくなり快適になる上、海外へのルートも国内で最大級の専用回線を使って行く事ができるのです。
つまりホスティングサービスとは、「サーバが格安で手に入る」だけでなく「快適な通信環境もセットで手に入る」ということなのです。
【補足】
「4Mbps(メガビービーエス)」というのは1秒間に「4Mbit(メガビット)」のデータを送れるという意味。通常使われるバイト(byte)という単位に変換すると→「4Mbit=4x1024bit/8=512Kbyte」となる。つまり「4Mbit」も「512Kbyte」も「同じ」である事が分かる。なおコンピュータで使う「K(キロ)」や「M(メガ)」や「G(ギガ)」は1024倍として計算する。1G=1024M=1048576Kとなる。